築古物件の壁紙貼替に潜むリスク

皆さん、こんにちは!

40年~50年越えの築古戸建て物件は金額もお手頃なので、購入される数が全体的に増えてきている印象があります。しかしながら、築古になればなるほど老朽化の問題があり、リフォーム費用も並行して高額になるリスクもあります。

職人の間では、あまりに古い物件はやりたくないと言っている人も多くいて、見積金額を高めに出している事例もあるようです。

今回は築古物件でも身近な『壁紙の貼替に潜むリスク』についてお伝えしようと思います。

オーナーにも職人にもそれぞれリスクが伴う

今回のポイント

  • 壁紙の貼替工事に多い㎡計算について
  • 経年劣化で壁紙が剥がれない!
  • 見積はリスク考慮、それとも追加?

まず壁紙の見積を見ているとよくあるのが、1500円/㎡という単位。
これは1㎡あたりの貼替金額は1500円になりますよという金額の出し方です。例えば6帖の壁を貼り替える場合、約25㎡×1500円で工事金額は37500円(税別)といった感じです。

㎡あたりの単価を決めて、施工数量をかけるといったやり方は他の項目でも多く見受けられるのではないでしょうか?この1500円/㎡はエリアや施工難易度によって変わります。

実は築古物件の壁紙貼替で職人にとって一番のリスクは

ずばり剥がれない!!

です。

職人でも、築古の壁紙剥がしの作業には頭を抱えることもしばしば...

剥がれないことがオーナーのリスクとどう関係が?

壁紙はビニルクロスとも呼ばれ、表面はビニル加工されています。長年の経年劣化によってビニルが劣化し、剥がすのが大変ということは良くあります。築古戸建て物件のリフォームが増えてきている昨今、実は職人の中で壁紙の貼替はリスクになりつつあり、こんな事例も増えてきています。

過去にこんな事例が

  • 築45年の築古戸建ての壁紙の貼替を職人さんに依頼しました。金額は1500円/㎡で快く工事を請けてくれたそうです。
    工事は問題なく完了し、次回の戸建て物件も是非お願いしますと伝えたら、「もう請けられません」と断られたそうです。

いったい何が問題だったのでしょうか?

実は職人さんが工事に入ったところ、壁紙が全く剥がれず、予定より1日多くかかってしまい、金額が合わないという事が起きていました。

一度でもDIYをやったことがある人なら、剥がれない壁紙に遭遇した経験はあるかと思います。壁紙が剥がれない事ほど大変なものはありません。いくらプロであっても地道に一生懸命剥がしているのが現状です。

もう少し細かく金額を見てみるといろいろな問題が見えてきます。

6帖25㎡として、1500円/㎡の工事とした時、25×1500=37500円

材料と工賃に分解してみましょう

  • クロス材料 → 9150円(30m)マイハーズマーケット調べ
  • 工賃    → 28350円

工賃は1日作業で28350円になり、職人さんは良い金額で受注した計算になります。
しかしながら、壁紙が剥がれなかった場合、28350円で2日作業のため、14175円/日となり、金額が合わなくなってしまいました。

築古物件ならではの問題ですね!

職人さんは次も同じことが起こるリスクを恐れ、請け負わなかったということです。

次も依頼を請けてもらうとするとするならば、剥がれないリスクも想定した単価で見積が出てくるかもしれません。では、この場合どのように対処するべきでしょうか。

いざという時に職人さんから断られてしまうと、また新たに職人さんを探す手間も増えてしまうことも...

お互いのリスクを解消するために事前にコミュニケーションを

まずは、今提示されている見積が剥がれないリスクも想定した金額なのか、剥がれることを前提とした金額なのかを知る必要があります。これだけでも、職人さんの考え方によって、金額が変わることが理解出来ると思います。

剥がれないリスクを想定した見積で仮に剥がれたとしても、当然値引きはありません。

最初から剥がれることを想定した金額ならば、剥がれない場合に追加費用が発生するのか、それとも職人で吸収するのかも考え方によって変わります。

一番良いのは剥がれることを前提に見積を出してもらい、剥がれなかったら追加を請求してもらうことです。

お互い気持ちの良い工事にするためにもコミュニケーションを

職人さんも追加というのはオーナーさんに言いづらい人もいます。事前に職人さんと取り決めを行うことで、職人さんもリスクなく安心して工事に取り組むことができます。そういう対話が職人さんと良好な関係を築くのに重要だったりもします。 是非、知識を深めて実践してみてくださいね!

今回は壁紙でしたが、床工事のときはこんな事例も!

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Masahiro Wachi

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