建設業界の人手不足がさらに深刻化
皆さん、こんにちは!
2022年は建築資材が高騰し、新築・リフォーム価格が上昇して、皆さんも悩ましい状況になっているのではないかと思います。しかしながら、本当に深刻なのは資材の高騰ではなく、職人不足のほうが大問題になっています。
今世の中では職人不足が騒がれていますが、去年にも増して様々な現場で職人不足が顕著化しています。
毎日のように全国から職人がいなくて助けてほしいと電話が鳴るようになりました。 10月、11月は業界の流れだと閑散期にあたり、むしろ職人が仕事を探している状況でしたが、全国的に仕事が少ない時期でも、職人が足りてない状況はまさに異常事態と言えます。
皆さんは職人さんの確保できておりますでしょうか?
これから繁忙期が迫っている中で、さらに深刻化する職人不足にどう向き合っていけばいいのか、今の時期から備えが必要です。
今回のテーマは建設業界の職人不足への対処法について話していきたいと思います。
人手不足が深刻化した理由は高齢化だけではない
なぜここまで職人不足が深刻化しているのでしょうか? 考えられる原因は3つあります。
要因は主に3つ
- テレワークの普及により、肉体的にハードな建設業を若者が選ばない
- 重労働の割には低賃金・長時間労働
- インボイスの開始
①働き方に対する価値観の変化
1つ目は職人の高齢化というとピンとくるかもしませんが、高齢化しているということは若者が入ってこないということです。コロナウイルスの蔓延で政府がテレワークを推進し、今や家にいながら仕事をするのはスタンダードになりつつあります。 しかしながら、建設業界は家にいながら建物を作ることはできません。空調もない、エレベーターもない過酷な状況の中で重労働を強いられます。若者が職場として選ばないのは当然ですよね。職人の高齢化というのは長年従事している熟練した職人さんだけが業界に残っている状況ということを表しています。
②蔓延化してる業界のスタンダード
2つ目は業界全体として言えることですが、低賃金・長時間労働が当たり前の業界です。現場作業においては、8時朝礼がほとんどです。現場に8時ということは遠い現場だと6時に会社出発なんて日常茶飯事です。そうすると起きるのは5時?そんな業界です。しかも今現場は職人不足で火を噴いています。突貫工事とか言われますが、ほとんどの現場が工期に追われ長時間労働になっています。今となっては長時間労働は緩和されつつありますが、それでも他業界に比べて長時間労働には変わりありません。
また、職人の世界は昔ながらの下積み時期があり、下積みをしながら職人から技を盗むといった考えの職人さんも多いです。(今は少なくなりましたが・・・)
長い下積み時代は低賃金、手に職を持って稼ぎたいなら独立していく感じです。 不況の影響で仕事が少なく、入札により安い工事単価でないと受注できない時代が長く続いたために、業界として低賃金がスタンダードになってしまいました。
③個人事業主の新たな弊害
3つ目はインボイス制度の開始です。インボイスの詳しい説明は割愛しますが、職人さんの中で課税売上1000万円を超える人は本当に少ないです。今まで消費税分利益になっていたものが何十万もの消費税を払うというのは職人にとって痛手です。高齢化している中でインボイスがある種、引退時期となってしまっているというのも現状です。我々の周りでも職人を辞めるという声は良く聞くようになりました。
上記のような理由から、職人不足はさらに加速していくと思います。 2024年繁忙期において、まさに皆さんに起こりえることを先にお伝えしておきます。
現在業者への依頼をしているオーナー様に起こりうる問題
- 工事を請け負ってくれる職人さんが見つからない
- 現場がいつになっても終わらない
今工事現場では職人不足で一人あたりの職人単価が高騰しています。1日25000円、30000円は当たり前です。職人として儲かる仕事したいのは私も含めてみんなそうです。工事を請け負ってもらうということは職人の取り合い競争の中に参入していかないといけません。仮に良い関係性を構築していて工事を請け負ってくれたとしても、忙しくて合間でやってくれる、つまりなかなか職人さんが空かなくて、現場が終わらなくなります。こんな時代をまさに迎えようとしています。
職人単価についてはこちらで詳しく解説してます!
この時代に備えるための対処方法
皆さんはどう備えていけばいいのでしょうか?
対処法は2つあります。
備えるための対処方法は2つ
- 細かい工事をある程度自分でできる能力を身に付ける
- 工事を知り、職人さんにとってやりやすい環境を整える
まずはDIYリフォームを知ることが第一歩
皆さんは工事金額をできるだけ安く抑えたいと思います。しかしながら、職人の取り合いになっている状況で工事金額を下げることはできません、ならば自分で補うという発想です。
幸いにも賃貸などの原状回復工事においては専門的な技術が必要なく、軽微な工事が多いのも事実です。大きな大工工事は慣れた職人でもケガをする危険が伴います。ただ、壁紙、クッションフロア、フロアタイル、簡単な水栓の交換、照明の交換(直結の場合は電気工事士要)などは危険が少なく、きちんとしたやり方を学べば誰でもできるようになると思います。
我々も施工研修会を開催しておりますが、全国各地で職人が開催しているスクールがあり、学べる機会も多くなりました。
意外と表面的な補修工事は職人としても儲けは少ないため、忙しい時期にあまり請け負いたくないと考える職人も多いです。
簡単なものは得意や不得意関係なく、必須スキルとして身に付けることをお勧めします。DIYと聞くと拒絶反応を起こす方がおりますが、簡単なものもありますので、やってみると楽しかったりしますよ!
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自分で補えることはDIYだけでは無い
どうしても時間に余裕がなくDIYをやりたくない方は、少なくとも職人さんへの丸投げだけはやめましょう。
職人はプロだからすべて任せてしまったほうがいいと考える人も多いかと思いますが、逆に何も言ってこないから動かない職人も多いですし、そういう現場に限って放置されていることが多いです。むしろ積極的に関与し、職人が喜んでやってくれる環境を作ってあげられることが鍵だったりします。
例えば、築古だと多い壁紙が剥がれないリスクを考慮し、壁紙を事前に剥がしておいたり、下地も隠れるような厚い材料を選んであげたり、クッションフロアの貼替ではなく、上張りを推奨してあげたり、工事や材料を見直すことでやりやすい環境を作ってあげることが可能です。ただ正しい知識がない人が工事に関与することは反対に職人の仕事を増やしてしまう結果になり嫌がられます。(壁紙も剥がしたはいいけど、下地がボロボロになってパテ処理に倍時間がかかってしまうなど)
単純な値下げではなく、工事のやり方を見直すことで合間工事でも確実に完了させられるように事前準備をすることが重要です。そのための知識武装・職人との対話は良い関係性を作る上でも必須です。
これからの難しい時代を乗り越えるために、今まさにオーナーさんの積極的な参加が求められていると思います。
DIYを知れる・学べる施工研修会はこちらから
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