1人工という謎

皆さん、こんにちは!

よく職人さんが見積で使っている「1人工」というのをご存じですか?
業者さんから貰った見積書の中に、この工事高いよな?と思うときは大体この1人工というのが考慮されている場合が多いです。

「人工」という単位を知る

今回は1人工という考え方について理解をして、なぜ金額が高額になるのか理解を深めていきましょう!

今回のPOINT

  • 1人工とは?
  • 見積で1人工となるとき
  • 仕事の割り振りを知る
見積書に見知らぬ単位の「人工」が…ってことありませんでしたか?

「人工」=1日の賃金の「最低保証金」

まず1人工とは1日の1人当たりの工賃のことを言います。
例えば、ある工事が1日かかりますとなれば、1人工となり、1日の職人さんの単価は20000円と価格が設定され、見積書に計上されます。これに材料費や交通費等の諸経費がプラスされて全体の工事費用となります。
ここまでは理解できると思いますが、この1人工は1日かからない工事でも1人工として計算されています。それがたとえ工事時間30分でも・・・
つまり、最低保証金額が1人工ということになります。

最低保証金がなぜ必要?

一つ例を挙げてみます。

キッチン水栓から水漏れを直すため、設備屋さんに水栓の交換をお願いしたとします。設備屋さんは朝自宅に来て、30分のキッチンの水栓交換工事を行い午前中に帰宅しました。

さて、この時の費用はいくらになるでしょうか?

工事と聞いても、たった1時間弱で終わってしまうことも。でも支払う金額は変わらないのはなぜか


一般的には、

最低保証工賃20000円+キッチン水栓代+諸経費

30分しか工事をしていないのに、高いと感じる方は多いのではないでしょうか?

では、反対に職人さんの立場になって考えてみましょう。

仮にこの工事が終わった後に、別の工事の予定が入れられなかったらどうでしょう。

都合よく午後にできる工事なんて意外と無かったりします。この日にやって欲しいという都合があると、余計に日程を合わせないといけません。
もし、職人さんが午後にしたくても仕事がなく、作業した時間分しかお金を貰えなかったら、生活が出来ないということになります。皆さんは職人さんに自分の現場に来てもらう代わりに、残りの時間に仕事が出来ない可能性を考慮し、1日分を保証してあげる必要があります。
ということで、1日分つまり1人工を工賃として支払っているという計算になります。払わなかったら、他の現場のほうが良いので来てくれないのです。

建設業界の深刻な問題が故に「人工がある

実は建設業界は構造が分かると、大きな工事ほど高額になりやすい理由が理解できます。

建設業界は大工、設備、電気、内装、クリーニングなど多くの業種に分かれており、自分に関係のある工事だけを請け負っています。軽微な工事ならば分かれているとコストアップになりますが、新築のような大きな建物を建てるとなれば、専門的な知識と経験が必要であり、一人で全ての工事を行うにはいくらお金と時間があっても足りません。
そこで、各分野においてスペシャリストとなる職人が存在しています。1業種でも多くの知識と経験が必要ですので、一人が家を建てるまで全ての職種を極めるのは非常に困難です。
業務の効率化・工期の短縮を図るために建設業界では分業制となっています。

参考:http://www.kankyou-ptah.jp/16535277358327より抜粋

工程を知ることが職人も助けることに

例えば、6帖の和室を洋室にする工事を想定してみましょう。

工事の流れは、
畳を処分 → 畳の厚み分床を上げる → 床を仕上げる(フローリングやCFなど)
となります。

この工事を考えると、処分は誰でも出来ますが、床上げ工事は大工さん、床の仕上げは内装屋さん、それぞれ1人ずつ職人さんが工事をするので、合計2人の職人さんが入ることになります。6帖の床上げ工事は早い人で1日かからない程度、現場によって搬入が難しかったり、高層階だったりすると材料の荷揚げだけで半日かかってしまいます。
参考までに、床の仕上げ工事はクッションフロアの場合は半日程度です。

職人の人工で計算すると、多く見積もって大工さん2人工、内装屋さん1人工の計3人工は必要となることもあり、実際の実働時間とは差が生じます。これは各工事での時間差や作業工程でもロスが発生することになります。工事が大きくなれば、この差も大きくなっていきます。

1人工というのは高いイメージの反面、職人を守るための金額だということがご理解頂けたかと思います。

職人さんとどう向き合っていけばいいのか

では、どのように対処していけばコストダウンが可能となるのでしょうか?

まずは自分と職人さんにやってもらうところを効率的に分けていくことで、時間の無駄を省くことが可能です。例えば、職人さんが仕事をしやすいように部屋を掃除しておいたり(部屋が汚いと意外と職人さんが移動しながら作業してたりします。)、搬入搬出のお手伝いをするなど、簡単なことですが面倒な作業だったり、さらに人手が必要だったりします。専門職にしかできないことに集中してもらうことで人工の削減が可能になります。

反対に職人さんの作業時間が短い場合は、1人工単位で最大限動けるような日程に融通を聞かせてあげることで初めてコストダウンが可能になります。

自分の頼んでる職人さんは良心的でこんなに請求してこないと思う方も、職人さんの状況を理解し、職人さんとの対話を重ねることで、職人離れを起こさないように事前に対処できるのではないでしょうか。

施工業者との付き合い方についてはこちらで詳しく解説してます!

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Masahiro Wachi

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